吹奏楽コンクール本番で後悔しないために――県代表4回の経験から実感した「早めにやってよかった準備」と当日までの整え方

クラリネットと音楽生活

もうすぐ新年度が始まります。

新入生を迎え、学校では部活動も本格的に動き出す季節です。吹奏楽の世界では、この時期になると少しずつ「吹奏楽コンクール」を意識し始める人も多いのではないでしょうか。

吹奏楽コンクールは、1億人の大質問!?笑ってコラえて!でも毎年のように特集される、吹奏楽部員や社会人吹奏楽団員、吹奏楽経験者にとって特別な一大イベントです。

「これまでの練習の成果を、本番で不安なく発揮したい」――そう感じている方はきっと多いはずです。

私自身、学生時代から一般団体まで継続して吹奏楽に取り組み、県代表として支部大会に4回出場しました。その経験の中で強く感じたのは、演奏の完成度だけでなく、本番までの準備の質が当日の安心感を大きく左右するということでした。

同じ曲を同じように練習していても、本番で落ち着いて吹ける年と、どこか不安が残る年がありました。その違いは、直前の過ごし方や細かな確認にあることが多かったように思います。

この記事では、実際にやってよかったこと、逆に準備不足で後悔したことも交えながら、吹奏楽コンクールに向けた準備についてまとめます。

コンクール準備は「吹けること」と「迷わないこと」の両方が必要

吹奏楽コンクール前は、どうしても曲の完成度ばかりに意識が向きます。

自由曲の難しい部分、課題曲の細かなニュアンス、縦のライン、音程、バランス。合奏では毎日のように指摘が増え、個人練習でも苦手な部分を繰り返しさらうことになります。

私も当時は「とにかく吹き込めば安心できる」と思っていました。

ただ、支部大会に初めて進んだ年、本番会場でそれだけでは足りないと実感しました。

ホールの響きがいつもの練習室とまったく違い、音が返ってくる感覚に慣れないまま本番が始まりました。普段は自然に入れるフレーズで息が浅くなり、頭ではわかっていても体が固くなる感覚がありました。

演奏技術は急に変わりませんが、「本番で迷わない準備」は事前に増やせます。

この経験以降、私は「吹ける」だけでなく「迷わない状態」を作ることを意識するようになりました。

本番1か月前から差が出る準備

楽譜は書き込みを増やすより整理する

コンクールが近づくほど楽譜の情報量は増えます。注意点、先生の指示、指揮を見る場所、ブレス位置、テンポ変化。気づけばかなり細かく書き込まれていることもあります。

ただ、本番ではその情報が多すぎると逆に見づらくなることがあります。私も以前、色分けを増やしすぎて本番直前にどこを見ればいいかわからなくなったことがありました。

それ以来、1か月前くらいになると一度整理して、

・絶対に見る合図
・入りに不安がある箇所
・ブレス位置
・テンポの切り替わり

だけを残すようにしていました。

本番では「必要な情報がすぐ目に入る」ことがとても大事です。

本番用リードや消耗品は複数準備しておく

木管楽器は本番前ほどリードに悩みます。

昨日までよかったものが急に鳴らないことも珍しくありません。

私も大会当日の朝に違和感があり、控え室で何枚も試したことがあります。そのとき、事前に何枚か候補を作っておいたことが救いでした。

本番直前に慌てないために、

・使えるリードを数枚育てる
・削りすぎない
・本番用を決めておく

ことをおすすめします。

金管でも、

・オイル残量
・スライドの動き
・抜差管の確認

は早めに見ておくと安心です。

クラリネット奏者さんには、ポケットにも入れやすいリードケースをお勧めします。リードケースは必要?クラリネット経験20年の奏者がおすすめするアイテム5選と選び方のポイント

本番用の靴や制服(衣装)は一度確認する

意外と見落とされるのが服装です。

以前、制服のまま長時間座る練習をしていなかった年、舞台上で姿勢が気になったことがありました。

また、革靴が滑りやすく感じた部員もいました。

座ったときの感覚、譜面台との距離、動きやすさは一度確認しておくと安心です。

2週間前から変わる体調管理

睡眠リズムは演奏に直結する

コンクール前はどうしても気持ちが高ぶります。録音を聞き返したり、不安な箇所を確認したりしていると、つい寝る時間が遅くなります。

私も前日に音源を何度も聞いてしまい、翌朝の口の反応が鈍かったことがあります。その経験から、本番前は

・起きる時間を固定する
・夜更かししない
・寝る前に音源を長時間聞かない

ことを意識するようになりました。

冷たい飲み物を控えるだけでも違う

真夏の大会は特に冷たい飲み物が欲しくなります。ただ、私は冷たいものを一気に飲んだあと、口まわりの感覚が少し変わったことがありました。

それ以来、常温の水を少しずつ飲むようにしています。ほんの小さな違いですが、本番ではこうした感覚が気になります。

当日に慌てないための持ち物準備

忘れやすいのは小さなもの

楽器本体は忘れませんが、小物は意外と抜けてしまいます。私が実際に必要だと感じたのは、

・鉛筆またはボールペン
・譜面クリップ
・替えリード
・ハンカチ
・チューナー電池

です。

会場によって空調で譜面がめくれやすいことがあり、クリップは毎回役立ちました。

荷物は使う順番でまとめる

以前、必要なものをケースの奥に入れてしまい、舞台裏で探して焦ったことがあります。

それ以来、「本番直前に使うものだけを小さなポーチにまとめる」ようにしました。このひと手間だけでかなり落ち着きます。

緊張は消えないから、付き合い方を決める

緊張しないことを目標にしない

4回支部大会に出ても、本番前の緊張はなくなりません。むしろ経験が増えるほど、「失敗したくない」という気持ちも強くなります。

だから私は、「緊張していても最初の一音だけは落ち着いて出す」ことだけを考えるようにしていました。最初の入りが落ち着くと、その後も流れに乗りやすくなります。

自分だけのルーティンを決める

私は舞台袖で深呼吸を3回していました。私の周りの人にも

・指だけ静かに動かす
・好きなフレーズを頭で歌う
・目を閉じる

など、それぞれの習慣がありました。何かひとつ決めておくと安心材料になります。

毎回感じた「準備してよかったこと」

演奏後に残る後悔は、「もっと練習すればよかった」だけではありません。むしろ、

・あの確認をしておけばよかった
・朝もう少し落ち着けばよかった
・予備を持っていけばよかった

という細かな部分が印象に残ります。

だからこそ、本番前の準備は安心を増やす作業だと思っています。吹奏楽コンクールは数分の演奏ですが、その数分のために積み重ねる準備が本番を支えてくれます。「やれることはやった」と思える状態で舞台に立てることが、いちばん大きな力になるはずです。

最後に

吹奏楽コンクールは、当日の数分間の演奏のために、何か月もかけて準備を重ねる特別な舞台ですよね。だからこそ、本番直前になると不安になるのは自然なことだと思います。私自身、何度経験しても「もっとできたのでは」と感じる気持ちは毎回ありました。

ただ振り返ると、本番で落ち着いて演奏できた年ほど、特別なことをしたというより、日々の小さな確認や準備を丁寧に積み重ねていたように思います。

楽譜の見直し、道具の確認、体調管理、そして気持ちを整えること。その一つひとつは地味ですが、本番では確実に自分を支えてくれます。コンクール当日、「やれることはやった」と思って舞台に立てることは、それだけで大きな自信になります。

これから本番を迎えるみなさんが、積み重ねてきた練習の成果を安心して発揮できることを願っています。

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