クラリネットは、美しい音色と表現力で多くの人々を魅了する楽器です。大人になってから楽器を始めるのは少しハードルが高いと感じる方もいるかもしれませんが、実は初心者にも扱いやすい楽器です。
運指は、アルトリコーダーと似ていますし、音さえ出せれば、難しい楽器ではありません。さまざまな音楽に合わせることができますし、年齢を重ねたからこそ楽しめる趣味として、クラリネットは新たな挑戦としておすすめします!
この記事でクラリネットの魅力について、改めてお伝えをしていきます。
大人になってからクラリネットを始める魅力とは?
クラリネットを始めて得られること
心が豊かになる
音楽に集中することで、日々のストレスを和らげる時間が持てます。自分で音を出し、曲を奏でられるようになる達成感はひとしおです。
脳の活性化
楽譜を読み、指を動かし、音をコントロールする作業は、脳をフル活用します。認知機能や記憶力のトレーニングにもつながります。
自分だけの趣味・時間が持てる
仕事や家庭以外の「自分の時間」を作るきっかけになります。無理なく続けられる趣味として、人生の彩りに。
新しい人との出会い
アンサンブルや市民吹奏楽団などに参加すれば、世代を超えた交流も生まれます。
自己表現ができる
言葉では伝えられない気持ちを音で表現できるようになります。クラリネットは音色が豊かで、感情をのせやすい楽器です。
大人になってから楽器を始めることの魅力
始めるのに遅すぎることはない
年齢を理由に諦める必要はまったくありません。 むしろ、大人は目的意識を持って取り組めるため、効率よく上達する傾向があります。 「この曲を弾きたい」「人前で演奏したい」など、明確な目標があることで、練習にも熱が入り、成長を実感しやすいのです。
子どもの頃とは違う楽しみ方ができる
大人には、理解力や思考力があります。 音楽理論を学びながら「なるほど、こういう仕組みだったのか」と納得できるのは、大人ならではの楽しみ。 また、自分のライフスタイルに合わせて練習メニューを工夫したり、効率的な練習法を試したりすることも可能です。 音楽との向き合い方が、より自由でクリエイティブになります。
音楽を「聴く」から「奏でる」ことで、心も豊かに
これまで「聴く」だけだった音楽を、自分の手で「奏でる」体験は、まったく別の感動をもたらしてくれます。
お気に入りの曲を自分で演奏できたときの喜びと達成感は、「聴いて」いた時以上、言葉では言い表せないほど格別な感覚です。
音楽が、より深く、より身近な存在になります。好きなことを思いっきりできることは、精神的にも豊かになります。
初心者におすすめのクラリネット選び
クラリネットを始めるとき、最初の一台選びはとても重要です。 「高すぎるのは不安だけど、安すぎてすぐ壊れたらどうしよう…」そんな悩みを抱える方も多いのではないでしょうか。楽器を選ぶ基本知識についてお伝えします。
価格と品質のバランス
クラリネットを始める際には、楽器選びは重要です。初心者向けモデルは、比較的価格が手頃で扱いやすい仕様になっています。
例えば、信頼できるブランドのエントリーモデルを選ぶことで、初めての一台にふさわしい楽器を手に入れることができます。
クラリネットの材質には、プラスチック、木製とありますが、マーチングなどではプラスチックの楽器が使用されますが、ホール等で演奏をすることを目指すのであれば、やはり木製をお勧めします。
クラリネットでよく知られているメジャーなメーカーは、YAMAHA、フランスのビュッフェ・クランポン、同じくフランスのセルマーです。
試奏の重要性
楽器を買う際は、楽器店で試奏を行うのが一番です。初心者で試奏ができない場合は、経験者に一緒に行ってもらうことができればいいのですが、経験者が周りにいない場合は、店員さんに相談をしましょう。
筆者体験談
筆者は、クラリネットを始めたころ、ちょうどYAMAHAに両親の知り合いが勤めていたこともあり、楽器を紹介してもらえることに。そのことを部活の先生に報告すると、当時のクラリネットパートリーダーの先輩に、楽器を試奏して選んでもられることになりました。
学校に5本持ってきていただき、先輩が1本ずつ吹き、選んでくれました。自分の楽器を持つという、とてもワクワクしたことをよく覚えています。
ちなみに、私が購入したのは、YAMAHA YCL-853 SE です。これまでに何度か調整をしてもらいながら、いまでも大切に持っている1本です。
現在は、価格も上がっておりますし、シリーズも少し変わっていますが、YAMAHAのクラリネットは、日本人には扱いやすい楽器だと筆者は思っています。
初心者向け練習のポイント
基本的な構え方を習得する
クラリネット演奏の基本は、正しい構え方を覚えることです。楽器を適切に持つことで、自然な姿勢で演奏できるようになります。姿勢が安定すると、音も良くなり、長時間の練習でも疲れにくくなります。
リードのセッティングに慣れる
クラリネットの音を出すためには、リードという部品が必要です。リードには厚さがあり、この厚さで吹きやすさ、音色に影響がでます。リード選びは、良い音を出すための第一歩です。
初めはわかりにくいかもしれませんが、練習をしていく中で、厚さを2、3種類自身に合ったものが見つかります。最初は、3.0で吹いてみることをおすすめします。
短時間から練習を始める
大人になってから始める方は、忙しい日々の中で練習時間を確保するのが難しいこともあります。初めは1日15分程度から始め、少しずつ練習時間を増やしていくと、無理なく続けられます。
また、いきなり「曲」を吹くのではなく、かならず「基礎練習」を大切にしてください。教本に掲載されている、ロングトーン、指練習、タンギングは外せません!
独学 vs レッスン:どちらがいい?
独学のメリット
独学でクラリネットを学ぶ場合、自分のペースで進められるのが大きな利点です。動画や教則本を活用すれば、基本的な奏法を学ぶことができます。費用を抑えたい方には適した方法です。
ただし、マウスピースのくわえ方(深さ、強さ、角度)は、成長に関わりますので、周りに経験者がいれば、ぜひ確認してもらうことをおすすめします。
ここで変な癖がついてしまうと、なかなかイメージをしている音色を出すことが難しくなります。
レッスンのメリット
プロの指導者からレッスンを受けることで、効率的に上達できます。特に初心者は、正しい指使いや音の出し方を最初にしっかり学ぶことで、後々の演奏が楽になります。
「いつまでに吹けるようになりたい」といった期限目標がある場合は、レッスンの受講をおすすめします。
また楽器店で運営しているような教室では、発表会などの機会も用意され、目的・目標があることでモチベーションも上がると思います。
大人から始めた演奏者の体験談
クラリネットを40代で始めた鈴木美穂さん(仮名)にお話を伺いました。
初めて音が出た時の感動
「最初はなかなか音が出なくて苦労しましたが、初めて音が出た時の感動は忘れられません。それが大きなモチベーションになって、毎日の練習が楽しくなりました。」
仲間とのつながり
「地域の吹奏楽団に参加することで、同じ趣味を持つ仲間と出会えました。皆で音楽を作り上げる楽しさを知り、今では生活の中で大切な時間になっています。」
大人がクラリネットを続けるためのコツ
目標を持つ
小さな目標を設定することで、練習のモチベーションを維持できます。「好きな曲を1曲吹けるようになる」「発表会に参加する」など、現実的な目標を立ててみてください。
リラックスして楽しむ
あまり完璧を求めず、楽器を楽しむ気持ちを持ち続けることが大切です。ミスを恐れず、自分のペースで続けることが成功への近道です。
まとめ
大人になってからクラリネットを始めることは、新たな趣味として音楽を楽しむ絶好の機会です。焦らず自分のペースで進めることで、クラリネットの魅力を最大限に味わうことができます。ぜひ一歩を踏み出し、その音色の世界を楽しんでください。
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