クラリネットメンテナンス&道具選び

楽器店スタッフ直伝!中古クラリネット購入時にチェックすべき項目と失敗しない選び方

クラリネットを始めたいけれど、新品は予算的に厳しい…そんな方におすすめなのが中古クラリネットです。中古楽器は新品よりも安価で、場合によっては高品質なモデルを手に入れることができます。

しかし、状態や品質にばらつきがあるため、購入時にはいくつかの重要なチェックポイントを押さえる必要があります。

本記事では、楽器店スタッフ直伝の中古クラリネット購入時にチェックすべき項目を詳しく解説します。また、筆者自身の体験談も交えながら、失敗しない選び方をお届けします。

中古クラリネット購入のメリット

新品よりも安価

中古クラリネットは新品と比べて価格が大幅に安くなるため、予算が限られている方でも手が届きやすいです。さらに、中古ならではの掘り出し物が見つかることもあります。

慣らしが不要

新品のクラリネットは購入後すぐに長時間演奏することができませんが、中古楽器は既に慣らしが済んでいるため、購入後すぐに演奏可能です。

廃盤モデルとの出会い

現在は製造されていないモデルやヴィンテージ楽器を手に入れることができる点も中古楽器の魅力です。

中古クラリネット購入時にチェックすべき項目

管体割れの有無

チェック方法:

  • 管体をよく観察し、木目とは異なる深い線や亀裂がないか確認する。
  • 怪しい部分があれば専門店で点検してもらう。

キイの動作確認

チェック方法:

  • 全てのキイを押してみて、動きがスムーズかどうか確認する。
  • 動きが鈍い場合はオイル切れや曲がりの可能性があるため、調整が必要。

タンポの状態

チェック方法:

  • タンポ表面に破れや毛羽立ちがないか確認する。
  • キイを押した際に「ペチャペチャ」という音が鳴る場合は調整または交換が必要。

筆者の体験談:

筆者は中学生の頃、部活引退後にしばらく楽器をふかない期間がありました。練習を再開した時にタンポの破れに気づかずに、しばらく放置していたところ、修理費用がかさんだ経験があります。

演奏に使われていなかった時間が長いと、傷んでいる可能性が高いですので、タンポの状態確認を徹底しましょう。

ジョイント部分の緩みや固さ

チェック方法:

  • コルク部分にグリスを塗り楽器を組み立ててみる。緩すぎる場合や固すぎる場合は調整が必要。

音色と響き

チェック方法:

  • 試奏して楽器全体の響きや音色を確認する。
  • 寿命が近い楽器の場合、鳴りムラや響き不足がある可能性あり。

失敗例とその対策

失敗例1:試奏せず購入する

問題点:試奏せずに購入すると、実際に吹いた際に音色や吹奏感が期待と異なる場合があります。その結果、交換や修理が必要になることもあります。

改善策:

  • 楽器店で必ず試奏を行い、自分の演奏スタイルに合った音色や吹奏感を確認する。
  • リードやマウスピースも持参し、普段の演奏環境に近い状態で試奏する。

試奏の際は、低音から高音までしっかりと出るかどうか、各キーは機能しているかなどしっかりと確認しましょう。

失敗例2:外見だけで判断する

問題点:見た目が綺麗だからといって内部の状態が良いとは限りません。管体割れやタンポの劣化など、外見では分からない問題が潜んでいることもあります。

改善策:

  • 管体割れやタンポの状態など、外見だけでなく内部のコンディションを確認する。
  • 専門店スタッフに相談し、プロの意見を聞く。

失敗例3:価格だけで選ぶ

問題点:安価なクラリネットを選んだ結果、修理費用がかさみ、最終的に新品を購入するより高くつくことがあります。

改善策:

  • 価格だけでなく、楽器の状態や寿命を考慮して選ぶ。
  • 予算内で最良の状態の楽器を探すために複数店舗を回る。

楽器店によっては、HPなどで入荷情報や楽器情報を掲載している店舗もあります。そちらもこまめにチェックすると、良い楽器に出会えるチェンスが増えます。

中古クラリネット購入時に役立つコツ

信頼できる楽器店を選ぶ

中古楽器は信頼できる楽器店で購入することで、品質保証やアフターサービスを受けられる場合があります。特に専門店ではスタッフが楽器の状態を丁寧にチェックしているため安心です。

ECショップで購入する場合も、楽器専門店で、楽器の知識を持った方がチェックしているかなど、サイトや時には電話で確認をした方がよいでしょう。

専門家に相談する

初心者の場合、自分だけでは判断が難しいこともあります。専門家や経験豊富な奏者に相談しながら選ぶことで失敗を防ぐことができます。

メンテナンス費用を考慮する

中古楽器は購入後にメンテナンスが必要になる場合があります。購入前に修理費用や調整費用を見積もり、予算内で収まるか確認しましょう。

筆者の体験談:

筆者は、廃盤になった中古クラリネットを購入したことがあります。やはり、実物が確認できる楽器店を選びました。

専門店スタッフにも話を聞きながら選ぶことができ、結果的に、状態の良い楽器を手に入れることができました。追加メンテナンスも必要なく、使用できました。

まとめ

中古クラリネットは予算を抑えながら高品質な楽器を手に入れるための良い選択肢ですが、購入時には慎重なチェックが必要です。本記事では、中古クラリネットを購入する際に確認すべき重要な項目や失敗を防ぐための対策について詳しく解説しました。

  • チェック項目:管体割れの有無、キイの動作確認、タンポの状態、ジョイント部分の緩みや固さ、音色と響きなどをしっかり確認する。
  • 失敗例への対策:試奏せず購入することや外見だけで判断することへの注意点、価格だけで選ばないこと。
  • 役立つコツ:信頼できる楽器店で購入し、専門家や経験豊富な奏者に相談することで失敗を防ぐ。
  • メンテナンス費用を考慮:購入後の修理や調整費用も含めて予算を設定する。

中古クラリネット選びは慎重に行うことで、自分にぴったりの楽器を手に入れることができます。筆者自身も中古市場で素晴らしい楽器との出会いを経験し、その魅力を実感しました。

ぜひ本記事で紹介した方法を参考に、中古クラリネット選びを成功させてください。大切な楽器との素晴らしい出会いが、あなたの音楽ライフをさらに豊かにしてくれることを心から願っています!

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