クラリネットを守るケース選びのポイント:利便性&モチベーションアップにつながるおすすめケース

クラリネットメンテナンス&道具選び

クラリネットは“ただの楽器”ではなく、自分の分身のように感じているクラリネット奏者は私だけではないと思います。

演奏歴17年を超えますが、これまで5種類ほどのケースを使い比べてきました。最初は「見た目」や「値段」につられて選んだところ、後で予想外のトラブルやストレスを何度も経験…。

たとえば、大切な本番前日にケースのファスナーが壊れ、焦って修理屋さんを探したことも。雨の日に防水対策が不十分で、外側のケースの中まで染みてしまい、ひやっとしたこともありました。

本記事では、そんな数々の失敗談とともに「選んでよかった」と思えたクラリネットケースの選び方・ノウハウを紹介!

ケース選びひとつで、あなたの練習・移動・本番への気持ちまで変わります。 「ケースなんてどれも一緒…?」と思っている方にこそ、ぜひ読んでみてください!

クラリネットケース、なぜ大切なの?

クラリネット本体は、ほとんどが高級木材(グラナディラやローズウッドなど)でできており、温度・湿度のわずかな変化でも材質に大きな影響を与えます。湿度が高すぎると膨張し、乾燥しすぎると割れやひびの原因に…。

だからこそ、移動中も“外気の影響を最小限に保つ”ことが求められます。 私がコンクールなどの遠征で最も気を遣ったのが「新幹線や屋外」での保管。気密&断熱性の高いケースなら、気候の変化にも冷静に対応でき、安心です。

また、ケースによってはリードやマウスピースを湿度管理しやすい個別ポケットが付属しており、普段の手入れも楽になります。「ケースをきちんと選ぶ」= 「楽器を守る」ということを忘れないでおきましょう。

筆者体験談:ケース選び失敗談①

中学生のときは、「オシャレな柄のトートバッグ」に無理やり純正ケースごと入れて通学。何度か友達や机にぶつけ、帰宅後「ケース本体が動いて内壁にこすれている」のを発見…。楽器は無事だったのですが、ひやっとした出来事でした。

✓失敗予防ポイント「内部で楽器本体がしっかり固定される設計」「移動中にズレない作り」を重要視!

クラリネットケース選びのチェックポイント

素材の違い

  • ハードケース
     衝撃に強く、楽器をしっかり守れるのが最大のメリットです。ただし重量があり、長時間の移動ではやや負担になることもあります。遠征やコンクールに頻繁に参加する方には安心感のある選択肢です。

  • ソフトケース
     軽量で持ち運びやすいのが魅力。普段のレッスン通いなど短距離の移動には便利ですが、保護力はやや劣ります。内部に厚めのクッションが入ったモデルを選ぶと安心です。

サイズと収納力

  • フルサイズタイプ:楽器本体に加え、小物もすべてまとめて収納できるタイプ。練習や演奏会で荷物を減らしたい人におすすめです。

  • コンパクトタイプ:本体のみを収納するシンプルなケース。外見もスマートでカラフルなものも。軽さを優先したい方に向いていますが、小物用バッグが別途必要です。

持ち運びのスタイル

  • ショルダータイプ:肩に掛けて持つタイプで、移動がスムーズ。ただし片方の肩に負担が集中します。長時間移動時は、肩が痛くなることも。

  • バックパックタイプ:両肩で背負えるため、長距離移動や荷物が多い場合に最適。大学時代はこちらを愛用。移動が楽になりました。

  • ハンドルタイプ:クラシックな見た目で、スマートなタイプ。スタイリッシュなデザインですが、ハンドルのみのタイプですと、短時間の移動なら問題ありませんが、通学・通勤には不便に感じる場合があります。     

防水性能

雨の日や湿度の高い環境、雪の日などは、防水性能の有無が大きな差となります。撥水加工されたソフトケースや、防水ハードケースを選べば安心です。さらに、防水カバーを追加で用意するのも良い工夫です。

最近は、ゲリラ豪雨など突然の雨に襲われることも多くなりました。防水、撥水の性能は重視することが必要だと思います。

筆者体験談:ケース選び失敗談②

中学生の頃、例のトートバックで楽器を持ち帰り中、急に雨に降られてしまい、傘を持っていなかったので、リュックもトートバックをびしょ濡れに…。

家に帰って確認すると、純正ケースの内部は無事でしたが、外側は濡れて染みができてしまいました。ケースの傷と、この雨事件で、新しいケースを購入することを決意したのです。

✓失敗予防ポイント→防水もしくは撥水機能があると安心。 撥水機能があってもなるべく早く水分は拭き取りましょう!

デザイン

黒一色のケースだけでなく、近年はカラフルなものやスタイリッシュなデザインのケースも増えています。自分の気に入ったデザインを選ぶことで、気分も上がりますし、練習時に目に入るたびに、モチベーションが高めることができます。

大学時代、「デザインだけ」で選んだハードケースはスリムでかっこよかったけれど、リードやメンテナンス用品などの小物が入らず…。

他のバッグに入れていたのですが、練習でも本番でも「アレが見つからない!」と焦ること多数。

また、コンクールなどで荷物を広げられるスペースに制限がある時にも、準備に時間ががかかり、やはり焦ることに…。

✓失敗予防ポイント→「収納できる小物の数・サイズを書き出してチェック」 演奏前の慌ただしさ・忘れ物ゼロに。収納スペースの多いモデルを選んでからは一気に快適になりました。

ケース選びでよくある失敗と対策

【サイズとフィット感】

A/B♭管、バスクラなど使用楽器に“ぴったり合うか”必ずメーカー、できれば型番まで確認しましょう。ネット購入時は「○○モデル専用」「全長・胴回りサイズ」まで細かくチェックすることをおすすめします。私は一度間違えて購入し、返品し、返送料で無駄な出費をしてしまいました。

【収納力・ポケット数】

自分が日常的に使う小物リストを作って、各ポケットの大きさや仕切り位置との相性を見比べる。“譜面・リード・チューナー・ミュート・クリーニング用品”、さらに、譜面台を持ち歩くことも。必要な物の収納イメージを具体化すると失敗しません。

【持ち運びの快適性/持ち方バリエーション】

肩がけ・バックパック・手持ちと複数持ち方があるケースなら、体調や移動手段に応じて楽になります。私は重いケースを手持ちで駅を歩き回り腕が痛くなった経験以降、リュックタイプを愛用。

【重さ】 実際の荷物の“合計重量”をシミュレーション。

毎日のように持ち歩く場合、移動手段や他の荷物の重量も考えた時に、ケース自体の重量が地味に辛くなる時も。女性や体力に自信がない人は1kg以下のモデルも多数あるので、重量もチェックです

【内装クッション性・衝撃吸収】

ケース内部のクッションの厚みや柔らかさまで現物で触るのがおすすめ。地面に置いた際の衝撃吸収力も安心材料。

【素材、防水・撥水加工】

表面素材(ナイロン、合皮、グラスファイバーなど)や止水ファスナー、防水スプレー可否まで意識。昨今は、ゲリラ豪雨も多いですし、私の住む地域では大雪にも見舞われます。防水や撥水性能は必須と考えた方がいいですよ!

【カラー・デザインの個性】

私のモチベーションを一番上げてくれたのは、カラー展開が豊富なケース。練習や本番の気分UP・長く大切に使おうという愛着が生まれます。 さらに、ケース表面に“好きなステッカー”や“名入れチャーム”をつけて自分だけの仕様にするのも楽しみのひとつです。

人気のクラリネットケース

バム(Bam)「トレッキングケース」

遠征が多い方におすすめ

クッション性と収納力が特徴。ショルダー、バックパックの両スタイル対応で便利。
蓋部分に伸縮するマチがある大きい収納ポケット付きで、リードケースやチューナー等のかさばる小物もきちんと収納出来る。使い勝手の良さが人気。 重量は1.5kg。

実際に2泊3日のコンクール合宿で持ち歩き、小物や着替えまですっぽり入る収納力と、中身の整理しやすさに助けられました。 クラリネット本体はもちろん分厚い仕切りで密着保護。肩掛け+リュックの2WAYで、女性でも疲れが激減。

バムは、スマートで軽量な「ハイテックケース」も人気があります。

プロテック(Protec)「PB307BX」

持ち歩き機会の多い方にイチオシ

耐衝撃性・デザイン性に優れたセミハードケース。外枠フレームには、軽量で耐久性のある木材で成形されたウッドシェルが使用され、楽器をしっかりと保護。また、ケースのナイロン生地には撥水加工がされている。重量は1.1kg。

撥水ナイロン+木製ウッドシェルの安心感。落ち着いたデザインで使いやすい。通勤・通学後そのまま練習…という社会人奏者におすすめです。

BM307 というシンプルなタイプも人気があります。

BROPRO P600S

デイリーユース・軽量派向き。

重量が圧倒的に軽く、0.65kg。自転車移動や学校通学などに。合皮製です。リードポーチなど小物が一元化でき、忙しい日の持ち替えも楽。グレーやキャメルなど、普段の服装に馴染むカラー展開も魅力です。

 

友人たちからプレゼントでもらったケース。一見、楽器ケースとは思えないデザインに興奮しました。軽くて、肩掛けしても辛くないことがとにかくお気に入りです。

 C.CシャイニーケースⅡ

カラバリ20色、カラフルケースをお探しの方へ。

2003年に発売開始され、他に類をみないほどのカラーバリエーションと、軽さが特徴のグラスファイバー製ケース。楽器をしっかり守る堅牢さと、軽さが両立。付属のショルダーーストラップにはロングクッションタイプが採用されており、長時間の移動や、荷物の多い時でも負担を感じにくい。重量は、0.9kg。

 

私は好きな色を選ぶことで練習が楽しみに。ガラスファイバーの軽さと丈夫さを両立し、ショルダーストラップのクッションなど、使用性にもこだわり有り。

Y’no ケースバッグ

万能選手!日本人のクラリネット奏者プロデュースのケース

コンパクトで、ファッションにも溶け込む機能的なケースバッグ。クラリネット奏者の加藤優穂さんがプロデュースし、 ”楽器と共にあるためのケースバッグがファッションとして日常に溶け込み、持ち運びの時間もモチベーションの向上に繋がりますように”という想いがこめられたバッグ。

楽譜・譜面台・水筒・小物が全部1つのバッグに入るので演奏会やレッスンの準備ストレスから解放。断熱材入りタイプもあり、夏場・冬場の温度対策も◎。

これが一つあれば、他の荷物もまとめられ、タイプやカラーも様々あるので、ご自分の使い方に合わせて選べますよ。使用してみると、便利さに感動します。

ケース購入・使い方でよくある追加Q&A

Q:高価なケースは本当に必要?

→安価でも「内部構造・素材・防水」さえクリアすればOKですが、“持つことで気分が上がる”満足感や愛着も意外と大事です。使い比べ自体が良い学びになるので、買い替えを前提に色々試すのも手。

Q:ネット通販で失敗しないコツは?

→実物写真や動画を必ずチェック!SNS(XやInstagram)で実際の愛用シーンを検索すると「小物の収納例」や「背負った時のサイズ感」がよく分かります。 メーカーの公式サイト+YouTube解説を見てから買うのが鉄則。

Q:ケースお手入れのコツは?

→週に一度は乾拭きし、保管時は湿気がこもらないようチャックを少し開ける・シリカゲルを入れて、定期交換するとベストです。 ストラップや持ち手が緩んできたら即修理へ出しましょう。楽器を落としてしまっては大変です!

まとめ

クラリネットケースはあなたと楽器をつなぐ「信頼のパートナー」です。私は好きなケースとめぐり逢ってからというもの、通学・通勤やライブ・本番への移動も“一種のワクワク”に変わりました。

うまく選ぶことで日常のストレスが減り、安全性もぐっとアップします。ぜひ色々な視点で比較し、「自分の演奏スタイル・生活に本当にフィットする一品」を探してみてください。

この記事がその一助になれば、奏者冥利に尽きます!あなたとクラリネットの毎日がよりキラキラしますように。

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