クラリネットと音楽生活

県代表として海外で演奏した体験談:文化交流と音楽の力

県代表に選ばれるまでの道のりと葛藤

校2年の春、担任の先生が「韓国の高校と音楽交流をする演奏チームの募集がある」と教えてくれました。掲示板に貼られたお知らせを見て、胸が高鳴ったのを今でも覚えています。「自分が県代表になれるわけがない」と思いつつも、クラリネットを始めてからずっと夢見ていた“海外での演奏”という言葉が頭から離れませんでした。

高校2年の春、担任の先生が「韓国の高校と音楽交流をする演奏チームの募集がある」と教えてくれました。掲示板に貼られたお知らせを見て、胸が高鳴ったのを今でも覚えています。

「自分が県代表になれるわけがない」と思いつつも、クラリネットを始めてからずっと夢見ていた“海外での演奏”という言葉が頭から離れませんでした。

「私が受かるだろうか」と不安はありましたが、人生に一度あるかないかのチャンス!と考え、チャレンジすることにしました。

今回はオーディションと海外への派遣演奏の経験から、感じたこと、学んだことをお伝えします。

このときチャレンジした経験は、クラリネット人生において柱の一つとなるほど、貴重な経験でした!

オーディションまでの準備と達成感

準備と練習

オーディションは人生初のチャレンジ。演奏する曲をどう選んでいいかも分からず、部活終了後に先生の部屋で相談をしました。「君なら、モーツァルトのクラリネット協奏曲が合いそうだね」と勧めていただき、楽器店に楽譜を買いに行きました。

楽譜を手にした瞬間の、ドキドキワクワクした感覚は、今でも覚えています。新しいことにチャレンジする、人生の新しいページを開くことに対するワクワクでした。

オーディションは、コンクールやアンサンブルと違い、一人でのチャレンジです。突破するために、1ヶ月間にわたって、先生や仲間と練習を重ねました。

全員で演奏をしている時には、気づかなかった吹き癖、運指が転んでしまう箇所など、一人だと小さなことも全て気になります。

基礎練を見直し、連符の練習を増やしました。練習時間は、部活動以外に、朝の授業前・昼休みを練習にあてて、少しの時間でも何度も何度も吹き続けました。

先生にみてもらえるときは、特に表現について相談をし、録音をして聴き直し、修正してを繰り返し行いました。

緊張と共に挑む!

オーディション当日の朝、緊張でかなり早く目覚めてしまいました。

緊張と不安を紛らわすために、クラリネットのベルに布をつめて音を出さないようにし、何度も何度も練習しました。

とうとう、オーディション会場へ。コンクールや演奏会以上の緊張でしたが、本番は、始まると、あっという間に終わってしまいました。とにかく「自分の音に集中すること」、「気持ちよく吹くこと」を考え、演奏をしました。

選抜された喜び

後日、選考結果が発表されました。

結果を聞いた瞬間の喜びは、今でも鮮明に覚えています。県代表として海外で演奏するという大きな責任を感じながらも、ワクワクする気持ちが大きくなりました。この選考をきっかけに、さらに自分を磨きたいという思いが強まりました。

選抜グループメンバーとの練習

オーディション後、選抜された他校に生徒のみなさんと、何度か練習を行いました。小編成バンドでしたが、全体と木管・金管アンサンブルと、5曲、用意をしました。

他校の生徒の演奏は、お互いにあまり知らない仲での演奏でしたので、不安がありました。

しかし、選抜メンバーですので、一人ひとりが非常に上手で、とても勉強になりました。自校では、自分がリーダーで、パートの音を作る立場でしたので、選抜メンバーの音の表現の仕方は、新鮮で刺激になりました。

自分の演奏の幅を広げる良い機会だったなと、今でも、挑戦させてくれた先生に感謝しています。

韓国の高校での演奏体験

温かい歓迎

韓国に到着した私たちは、現地の高校生や教職員から温かく歓迎をしていただきました。学校では吹奏楽部の生徒たちとの交流時間が設けられ、言葉の壁を超えて音楽を通じたコミュニケーションが広がりました。

心に残る演奏会

高校の体育館で行われた演奏会は、多くの生徒や地域の方々が訪れる盛大なイベントとなりました。私たちの演奏はもちろん、日本の伝統的な楽曲を披露した際には特に大きな拍手が送られ、演奏者として感激する瞬間となりました。

音楽に国境はない!と、実感しました

 

文化交流を通じて得たもの

異文化理解の深化

現地の高校での演奏や交流を通じて、日韓両国の文化の違いや共通点を直接感じることができました。音楽が持つ普遍的な力によって、新しい視点で自分たちの文化を見直すきっかけともなりました。

特に、戦争が残した二つの国の間の問題など、授業ではわからなかったことを強く実感させられました。日本が何をしたか、韓国側から見た史実が石碑として残されている公園があり、ガイドさんから説明を受けました。

ニュースでも話題になることがありますが、それでも、同い年の高校生がみんな笑顔で話しかけてくれたこと、日本の高校生活について、たくさん質問をしてくれました。日本のことを知ろうとしてくれていることが、とてもうれしかったことをよく覚えています。

戦争を忘れてはいけませんが、それでも、お互いを知ることはとても大切であると知ることができました。

帰国後の影響

この韓国での経験を通じて、音楽が持つ可能性の大きさを改めて実感しました。異文化の人々とつながりを持つことで、国際的な視野が広がると同時に、自分たちの音楽がもたらす影響について考えるようになりました。

また、この貴重な体験は、今後の音楽活動や人生全般において大きなモチベーションとなっています。

まとめ

厳しいオーディションを経て韓国で演奏した経験は、それまでの練習、演奏経験とはまったく異なるものでした。この経験は、私の演奏力の幅を広げることとなり、また文化交流の素晴らしさを再認識する特別な機会となったと、強く感じています。

この時の経験が、クラリネットを今でも続けている原動力であり、自信となっています。

音楽を通じて築かれた絆や得た教訓は、私の人生においてかけがえのない宝物です。これからも音楽を通じて新しい挑戦を続け、その可能性をさらに広げていきたいと思います。

コメント