クラリネットメンテナンス&道具選び

「クラリネット」リガチャーで音質ワンラックアップ!素材と形の違いによる特徴

クラリネットを吹くときに必ず使う「リガチャー」。
これはリードをマウスピースに固定するための道具のことですが、実は見た目以上に音色や吹き心地に大きな影響を与える、とても大切なパーツなんです。

私自身、中学生で吹奏楽部に入ってクラリネットを始めて、これまでいろいろなリガチャーを試してきました。最初は「リガチャーでそんなに変わるの?」と思っていたのですが、素材や形を変えるだけで「こんなに音が変わるの!?」と驚かされた経験が何度もあります。

この記事では、リガチャーの素材や形の違いが音にどう影響するのかを初心者さん向けにわかりやすくまとめました。曲が吹けるようになり、もう一段成長したくなったとき、リガチャーに注目してみてください!

リガチャーが音質に与える影響

まず、リガチャーの役割を簡単に整理しましょう。
リガチャーは単にリードを留める道具ではありません。リードが振動するとき、その揺れを効率よくマウスピースや楽器本体に伝えるための橋渡しのような役目をしています。

  • 音色への影響
    素材やメッキの種類によって、音が「明るい」「柔らかい」「重厚」など変化します。

  • 吹奏感への影響
    リガチャーの締め方や形によって、息の通りやすさや抵抗感が変わり、演奏のしやすさに直結します。

  • 表現力への影響
    自分の好みやジャンルに合ったリガチャーを選ぶことで、よりイメージ通りの音楽表現ができるようになります。

私が最初に買ったリガチャーはニッケルメッキ製のもの。初心者用としては無難でしたが、ある時、先輩に借りて「銀メッキ製」を試してみたら、同じクラリネットなのに音がふわっと広がる感じがして、思わず「えっ!?」と声が出てしまうほどでした。

素材ごとの特徴

リガチャーは大きく分けて「金属製」「革製」「紐(布)製」の3タイプがあります。それぞれの特徴を見てみましょう。

金属製

一番ポピュラーなタイプで、吹奏楽部や市販のクラリネットに付属しているのもだいたい金属製です。メッキや仕上げで音色が変わります。

  • 銀メッキ:柔らかく落ち着いた響き。クラシックからポップスまで幅広く対応。

  • 金メッキ:華やかで存在感のある音色。ソロや吹奏楽のメロディ担当に人気。

  • ピンクゴールド:金の明るさに柔らかさが加わった感じ。音に厚みが欲しい人向け。

  • サテンゴールド:少し抵抗感があり、重厚で落ち着いた音。

私が最初にお年玉を貯めて買ったのが、ピンクゴールド仕上げのリガチャー。完全に見た目で選びました(笑)。見た目以上に、音に艶が出たように感じました。

社会人バンドにいる今でも使用していて、ジャズなどポップス系の曲を吹くときに使用をしています。

革製

金属製に比べて音が優しくまとまりやすいのが特徴。タンギングも柔らかくなります。

  • 音がまとまり、吹きやすい

  • 金属製よりも音の飛びは弱い

  • 小規模のアンサンブルや自宅練習に向いている

私が初めて革製を試したときは、アタックが丸くなり、バラード系の曲で吹くのがとても心地よく感じました。ただし、大きなホールで吹いたときは「もう少し音を遠くに響かせたいな」と思ったこともあります。

紐(布)製

見た目がシンプルで軽量。音も柔らかく、軽やかな響きになります。

  • 音が軽く柔らかい

  • 金属より耐久性は低め

  • ジャズやポップスで使う人も多い

リガチャーをいくつも持ち替えて演奏する人の中には、この紐タイプを好んで使う方もいます。

形の違いによる特徴

リガチャーは素材だけでなく、形によるリードの締め方の違いでも音色が変わります。

正締めタイプ

  • ネジが演奏者側にある

  • 力強く安定した音

  • 初心者でも扱いやすい

逆締めタイプ

  • ネジが反対側にある

  • 音が滑らかでノイズが少ない

  • 繊細な表現をしたい人におすすめ

私自身は、現在、3個を使い分けていますが、正締めが1個、逆締めが2個です。1stを吹く機会が多いので、高音域が響きやすい逆締めの方をメインで使用しています。

おすすめリガチャーモデル

初心者向け:バンドーレン「M/O」

リードの装着のしやすさと、さまざまな素材があること、軽い吹奏感とコントロール性が特徴。価格も素材により1万円以下〜と購入しやすく、楽器の付属品から卒業したくなった時の、初リガチャーとしておすすめ。

ロヴナー /ヴェルサ V-1R

クラシック、ジャズ、ポップスなどジャンルを問わず人気の「ロヴナー」.。

リード接地面に金属プレートを装備し、輪郭のハッキリとした音色が得られます。
プレートは2種類あり着脱可能、またサイドのフラップのセッティングにより6種類の音色や吹奏感を楽しめるモデル。

ハリソン「PGP」

プロ、アマチュアを問わず、世界中の演奏家に愛用されているハリソン。リードを押さえる独特の”H”の形状が特徴。重厚できらびやかなな音色を引き出します。

逆締めタイプで、長時間の練習にもリードがずれにくい。

BG DUO

ソロ、オーケストラ、大きなコンサートホールでの演奏をする際におすすめのモデル。あたたかい音質と正確な発声が特徴。

金属の素材に、種類があります。
・銀メッキ:クリアで明るく、まとまりのある音色。
・24K金メッキ:明るく丸みのある豊かな音色。
・ローズゴールドメッキ:より柔らかく深みのあるしなやかな音色。
・ブラックラッカー:音がストレートに飛び、深くまとまりのある音色。

よくある失敗と対策

初心者さんがリガチャーを選ぶときに陥りがちなミスを紹介します。

  1. 試奏せずに買ってしまう
    → 必ずお店で試すこと。普段使っているリードやマウスピース、できれば楽器も持参すると安心。

  2. 値段だけで決める
    → 高ければ良いわけでも、安ければダメというわけでもない。自分の好みに合うかが一番大切。

  3. 素材や形を気にしない
    → 「とりあえず」で選ぶと、音が好みに合わず結局買い直しになることも。特徴を理解して選びましょう。楽器店のスタッフさんに相談するのもいいと思います。

リガチャー選びを成功させるためのコツ

自分の演奏スタイルを明確にする

クラシック、ジャズ、ポップスなど、自分が演奏したいジャンルによって適したリガチャーは異なります。ジャンルに合わせて選ぶことで、より良い音色と表現力を得ることができます。

試奏時のポイントを押さえる

試奏時には以下のポイントを確認しましょう:

  • 低音から高音まで安定して出せるか。
  • 息の入り方が自然かどうか。
  • 音色が自分の好みに合っているか。

長期的な視点で選ぶ

初心者の場合でも、少し挑戦できるリガチャーを選ぶことで技術向上につながります。一方で上級者は、自分の演奏スタイルに完全にフィットするものを選ぶことが重要です。

まとめ

クラリネットのリガチャーは、見た目は小さくても演奏に大きな影響を与える重要なパーツです。

  • 素材で音色が変わる(金属=華やか、革=柔らかい、紐=軽やか)

  • 形状でも響きが変化する(正締め=力強い、逆締め=繊細)

  • 試奏して、自分の演奏スタイルや好みに合うものを選ぶことが大切

私自身、いろんなリガチャーを試す中で「音が変わる楽しさ」を知りました。リガチャーは楽器本体とは違い、買い替えやすいパーツなので、気になったらぜひ楽器店で試し、曲により変更することで、演奏の幅が広がります。

あなたにぴったりのリガチャーに出会えたとき、クラリネットの演奏はもっと楽しく、もっと自由になるはずです。

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