クラリネットを始めたころ、「ただの金具」と思っていた、リガチャー。音に違いを生むことなんて、全く気にしていませんでした。
でも、初めて違う種類に替えた演奏会の日、自分の出す音が“まるで別人”のように感じられ、友人と共に「音ってこんなに変わるんだね」と驚ろきました。
この記事では、リガチャーの素材や形の違いが音にどう影響するのか、メーカー説明では分からない実体験・失敗談も交え、初心者が後悔しないための選び方やシチュエーション別おすすめを詳しくまとめます。
曲が吹けるようになり、もう一段成長したくなったとき、リガチャーに注目してみてください!
リガチャーが音質に与える影響
まず、リガチャーの役割を簡単に整理しましょう。
リガチャーは「音色・反応・演奏のしやすさ」にダイレクトに影響する重要パーツです。リードの振動をどう楽器本体に届けるかで「息の入り方」「音の芯」「響き方」が変わります。
実際、私が金属から革へ変えた時、吹き出しの柔らかさもコントロールも体感レベルで変化。それまで全く注目していなかったこのパーツの奥深さに衝撃を受けました。
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音色への影響
素材やメッキの種類によって、音が「明るい」「柔らかい」「重厚」など変化します。 -
吹奏感への影響
リガチャーの締め方や形によって、息の通りやすさや抵抗感が変わり、演奏のしやすさに直結します。 -
表現力への影響
自分の好みやジャンルに合ったリガチャーを選ぶことで、よりイメージ通りの音楽表現ができるようになります。
素材ごとの特徴
最初に、銀メッキの金属製リガチャーを使い「大きな不満なし」でしたが、ピングゴールド製に変えたところ、ソロパートでしっかり存在感が出て音圧も抜群に変わりました。
友人も「変わったね!」と唸るほど。ピンクゴールドは柔らかさと太さが絶妙で、バラード系や表現力重視の場面で大活躍しました。
初めて革製を使った時は、アタック音がマイルドにまとまり、吹き心地も優しくなりました。小さいスペースの店舗での演奏や自宅練など「落ち着いた音」が求められるときに愛用をするように。
逆にステージ演奏では少し“飛び”が物足りないく感じることも。 紐・布製を初めて試したときは、その軽さと音抜けに驚きました。
「今日はどんな音にしたいか?」で、リガチャーを変えて音色を楽しみ、練習がより楽しくなりました。
金属製
一番ポピュラーなタイプで、吹奏楽部や市販のクラリネットに付属しているのもだいたい金属製です。メッキや仕上げで音色が変わります。
- 銀メッキ:柔らかく落ち着いた響き。クラシックからポップスまで幅広く対応。
- 金メッキ:華やかで存在感のある音色。ソロや吹奏楽のメロディ担当に人気。
- ピンクゴールド:金の明るさに柔らかさが加わった感じ。音に厚みが欲しい人向け。
- サテンゴールド:少し抵抗感があり、重厚で落ち着いた音。
最初に買ったのはピンクゴールド仕上げのリガチャー。完全に見た目で選びました(笑)。見た目以上に、音に艶が出たように感じました。
社会人バンドにいる今でも使用していて、ジャズなどポップス系の曲を吹くときに使用をしています。
革製
金属製に比べて音が優しくまとまりやすいのが特徴。タンギングも柔らかくなります。
- 音がまとまり、吹きやすい
- 金属製よりも音の飛びは弱い
- 小規模のアンサンブルや自宅練習に向いている
- 紐(布)製
見た目がシンプルで軽量。音も柔らかく、軽やかな響きになります。
- 音が軽く柔らかい
- 金属より耐久性は低め
- ジャズやポップスで使う人も多い
形の違いによる特徴
リガチャーは素材だけでなく、形によるリードの締め方の違いでも音色が変わります。
正締めタイプ
- ネジが演奏者側にある
- 力強く安定した音
- 初心者でも扱いやすい
逆締めタイプ
- ネジが反対側にある
- 音が滑らかでノイズが少ない
- 繊細な表現をしたい人におすすめ
正締めタイプを長く使いましたが、逆締めを初めて使った日、高音域の響きと息の通りやすさに「こんなに変わるんだ!」と驚きました。
その後、実際1stパートで逆締めの透明感を重宝し、低音の多い3rdを吹く際には、正締めを使用して、安定感を活かしています。
複数のリガチャーを会場や役割で使い分けすることは楽しいですよ。
おすすめリガチャーモデル
初心者向け:バンドーレン「M/O」
リードの装着のしやすさと、さまざまな素材があること、軽い吹奏感とコントロール性が特徴。価格も素材により1万円以下〜と購入しやすく、楽器の付属品から卒業したくなった時の、初リガチャーとしておすすめ。
ロヴナー /ヴェルサ V-1R
クラシック、ジャズ、ポップスなどジャンルを問わず人気の「ロヴナー」.。
リード接地面に金属プレートを装備し、輪郭のハッキリとした音色が得られます。
プレートは2種類あり着脱可能、またサイドのフラップのセッティングにより6種類の音色や吹奏感を楽しめるモデル。
ハリソン「PGP」
プロ、アマチュアを問わず、世界中の演奏家に愛用されているハリソン。リードを押さえる独特の”H”の形状が特徴。重厚できらびやかなな音色を引き出します。
逆締めタイプで、長時間の練習にもリードがずれにくい。
BG DUO
ソロ、オーケストラ、大きなコンサートホールでの演奏をする際におすすめのモデル。あたたかい音質と正確な発声が特徴。
金属の素材に、種類があります。
・銀メッキ:クリアで明るく、まとまりのある音色。
・24K金メッキ:明るく丸みのある豊かな音色。
・ローズゴールドメッキ:より柔らかく深みのあるしなやかな音色。
・ブラックラッカー:音がストレートに飛び、深くまとまりのある音色。
初めてバンドーレン「M/O」に替えた時、「息が軽やかに感じられる」感覚に驚きました。長時間練習でも疲れにくく、初心者にも激推しです。
ロヴナーV-1Rは、同じマウスピース&リードでも、音が輪郭から変化して聞こえました。ジャンルもクラシックからジャズまで自在に使える万能さんです。
BG DUO(24K金メッキ)は「今日は主役の音が出したい」という本番におすすめです。実際、ホールでの大舞台でソロ曲を吹いたときに、褒められた相棒です。
購入時の注意
ネットで見つけて「安いから」「プロ推薦だから」と即買い→届いてガッカリしたことがありました。
自分のリードやマウスピースで店頭試奏をすることで、初めて「この音!」と納得して購入ができました。
リガチャは、楽器店で試奏をすることをおすすめします。自分が普段使っている楽器一式を持ち込んで、試しましょう。正直、面倒だと思っても、その一手間こそが結果的に長く愛用できるリガチャー選びに絶対つながります。
リガチャー選びを成功させるためのコツ
自分の演奏スタイルを明確にする
クラシック、ジャズ、ポップスなど、自分が演奏したいジャンルによって適したリガチャーは異なります。ジャンルに合わせて選ぶことで、より良い音色と表現力を得ることができます。
試奏時のポイントを押さえる
試奏時には以下のポイントを確認しましょう:
- 低音から高音まで安定して出せるか。
- 息の入り方が自然かどうか。
- 音色が自分の好みに合っているか。
長期的な視点で選ぶ
初心者の場合でも、少し挑戦できるリガチャーを選ぶことで技術向上につながります。一方で上級者は、自分の演奏スタイルに完全にフィットするものを選ぶことが重要です。
よくある疑問
Q:何個必要?
A:曲のジャンルや用途(ソロ?低音で支えるなど)により、2~3個は持って損なし。
Q:高級モデル=ベスト?
A:自分との相性がすべてだと思います。1万円以下でも、自分にとって使いやすければ、それが一番。出会いがあります。
Q:わざわざ店で試奏?
A:YES。リードやマウスピース、セッティングやその日の体調まで関係するので、体験しないと本当の“自分の音”は見つからないと考えます。
まとめ
クラリネットのリガチャーは、見た目は小さくても演奏に大きな影響を与える重要なパーツです。
- 素材で音色が変わる(金属=華やか、革=柔らかい、紐=軽やか)
- 形状でも響きが変化する(正締め=力強い、逆締め=繊細)
- 試奏して、自分の演奏スタイルや好みに合うものを選ぶことが大切
私自身、いろんなリガチャーを試す中で「音が変わる楽しさ」を知りました。リガチャーは楽器本体とは違い、買い替えやすいパーツなので、気になったらぜひ楽器店で試し、曲により変更することで、演奏の幅が広がります。
YouTubeでも、リガチャーの吹き比べをした動画などもありますので、そちらを観てみるのも、実際に音が聴けていいと思いますよ。
あなたにぴったりのリガチャーに出会えたとき、クラリネットの演奏はもっと楽しく、もっと自由になるはずです。


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